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世界で急増する需要ーリクシルが挑む再生アルミニウム

 

日本では年間約400万トンものアルミニウムが消費されており、我々がよく飲むジュース類などのアルミ缶はリサイクル製品としてよく知られています。分別収集・集団収集・拠点収集などされたアルミ缶は、再生工場に運ばれ、表面の塗装やフィルムをはがしたあと、700℃以上の高温で溶かされます。これを固まりにしたのがアルミニウム再生地金です。アルミ缶のボディー部分になるのも、この再生地金を薄い板状に加工したものです。

 

90%以上がリサイクルされており、そのリサイクル率の高さからリサイクルの王様とも呼ばれています

 

アルミニウムはもちろん建築資材としてもつかわれていて、その新素材の開発に力を注いでいるのがLIXILです。

 


 

✔プレミアル(PremiAL)R100

 

 

LIXILは2023年10月1日からリサイクルアルミ使用比率100%のアルミ形材「PremiAL R100(プレミアル アール100)」の物件対応を開始しました。

 

アルミニウムはリサイクルしないで生成する場合、鉱石を精錬して新しく取り出さなければいけません。しかし、その精錬の過程には電気分解があり、大量の電力を消費するため日本国内でのアルミニウム精錬は採算が取れなくなりました。

2014年を最後に弊社日本軽金属㈱で運営していた精錬工場も操業を停止した結果、日本国内には1カ所もなくなりました。

PremiAL R100(プレミアル アール100)はリサイクルアルミ使用比率を100%にすることでリサイクルに必要なエネルギーは、新地金を製造する場合と比べてわずか3%となり、CO2排出量の97%を削減することができるようになりました。

 

 

 

現在、リサイクルアルミの使用比率100%の再生アルミを生産できるのは、世界でもLIXILとノルウェーのアルミニウム大手ハイドロ社の2社だけと言われているそうです。

 


 

LIXILの素材開発はその汎用性の高さとリサイクル材を安定調達できる独自ルートを確保している点が特徴で、このほかにも高意匠を売りにした炭素繊維強化プラスチックを用いた住宅向け建材ブランドを展開したり、再資源化が困難だった複合プラスチックと、建築物の解体時に出る廃木材を細かく粉砕して混ぜた新素材「revia(レビア)」の取り扱いを開始するなど、LIXILは住まいに関する様々な製品とサービスを提供し、建材のさらなる環境負荷低減に励み欧米を含む海外展開も視野に入れていくそうです。