住宅業界で話題の「生成AI住宅」
日本の住宅業界では労働力不足、建築コストの増加がますます顕著になっています。
従来の住宅設計は、設計士の経験やノウハウに依存し過ぎており、設計の標準化や効率化が進みにくく
そこで、Lib Workは2025年3月25日、先進的な生成AI技術を有するカナダのMaket Technologiesと共同で、生成AIを活用した住宅設計の自動化プロジェクトを開始したと発表しました。
✔Libworkとはどんな会社?
✔生成AI住宅ってなに?
AIが「首都圏で二人住む家が欲しい」などの条件を先にもらうと、
🪤「この場所でこんな間口はどう?」
🪤「使いやすくするには、床屋は近くに」
🪤「ここに光が入るから、リビングは南向きで」
など、人の思考をサポートするような方式で間口を生成します!
この技術の利点として、設計時間の短縮や精度の向上が挙げられます。AIは膨大なデータを分析し、最適な設計案を提案できるため、顧客の細かな要望にも迅速かつ的確に応えることが可能となります。
さらに、生成された間取りを基に自動で3Dパースモデルを作成することも可能です。
✔建築士の仕事は移行へ
「生成AI住宅」が普及すると、建築士の仕事は「設計図を一から描く」作業から、「監修」や「クリエイティブな提案」へとシフトしていくと言われています。
つまり
作業内容 | 説明 |
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図面作成 | 間取り、構造、設備など、すべての設計図を作る |
顧客ヒアリング | 要望を聞き、設計に反映する |
法規チェック | 建築基準法などに沿って設計する |
手直し作業 | お客様の要望に合わせて何度も調整 |
このようなすべて建築士が行っていた仕事が下のような仕事に代わると言われています。
役割 | 具体的な内容 |
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🔍 監修者 | AIが出した案を、法規や構造、安全性などの視点でチェック・修正 |
🎨 クリエイター | 生活スタイル・美しさ・光の取り入れ方など、人の感性でしかできない提案をする |
🗣️ コンサルタント | 住む人の暮らし方・人生設計まで踏まえて、AI案をカスタマイズ |
たとえば…
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AIが作った標準プランに対して、
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「猫と暮らす家だからキャットウォークを入れよう」
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「在宅ワークがあるなら音環境に配慮しよう」
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「この窓からは夕陽がきれいだからベンチをつけよう」
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といった、人の感性や想像力でしかできない“+αの価値”を加えるのが、これからの建築士の役割になると思います。
✔まとめ
共存のカギは「分業と強みの活用」
今後の住宅建築の在り方はAIの強みを生かしたスピード感ある膨大な事例の分析・複雑な条件処理、そして人間の強みを生かした美意識・暮らしの想像力・感情に寄り添った提案、構造・法規面の最終判断と責任を担うといった共存が主流になっていくと思われます。
AIにより建築士の仕事が奪われることはなく、「AIの出力をベースに、“その人らしい家”を仕上げるプロフェッショナル」としての役割がより重要になっていくということです。