夏の塗装は大変
家具を作るということは色を付ける工程があるわけでして、
まぁもちろんメラミンなど使って色を付けない家具もありますが、無垢や突板を使う家具は基本塗装をします。
今日はそんな弊社で行っている塗装のおはなしです
塗装の種類や工程
塗装にもいくつかの種類があります。例えばこんな感じです。
・ラッカー塗装・・硝子綿を溶剤で溶かした物で、合成樹脂塗料では最も古くから使われています
・ウレタン塗装・・合成樹脂の一種であるウレタン樹脂の塗料で塗膜を作り、表面を強くコーティングする仕上げで、現在最もポピュラーな塗装方法
・オイル塗装・・自然の乾性植物油(オイル)に若干の樹脂や着色剤(ステイン)等を入れた無公害塗料を家具の表面から内部に浸透させる、塗膜を作らない仕上げ方法
・UV塗装・・紫外線を照射することによって硬化するUV塗料を使った塗装法
弊社カンダ住建では主にウレタン塗装を行っています。
塗装工程はこんな感じです。
①木地研磨・・粗目のペーパーで木目に沿って研磨します。
②木地着色(目止め)・・色の付いた染色よう顔料を塗り、下地の色付け、導管の目を止めます。
③サンディング・・木部への塗料の浸透を防ぐのと、木部の凹凸を滑らかにするための下塗り剤です。
④研磨・・ザラ付きが無くなるよう研磨します。(下地を剥がさないように)
⑤補色(カラー)・・目標の色に合わせ、薄いカラーを何回か重ね塗りし合わせます。
⑥仕上げ・・指定された艶に合わせてクリア塗装で仕上げます。
夏の塗装が大変な理由
・温度が高い
とにかく暑いんですよ。
温度が高すぎるとどうなるか・・
まず人間そのものが疲弊します。集中力もなくなり、そしてつまらないミスや失敗をしでかします。
それによってまた手直しをしなければならず、多くの時間とお金をロスしてしまいます。
そして暑すぎる環境下では塗装面に小穴(ピンホール)が生じてしまうことがあります。
塗料は気温が高いほど早く乾燥しますが、あまりに高温だと塗装の外面があまりに早く乾燥してしまうため、塗料の間に空気が入ってしまい針でつついたようなピンホールができてしまうのです。
・窓を開けられない
暑いんなら窓開ければいいやん!となりますが、そうは簡単に開けられません。
窓を開けると風が入ってきます、しかしそこには空気中に飛散しているチリやホコリが含まれています。
塗装中にその風が塗装物に当たると・・そうですね、それらのチリやホコリが付着しますし、塗料自体も風で飛び散ってしまいますので、きれいに吹き付けができません。
虫も入ってきますし🐞
虫はなぜかシンナーの溶剤に引き寄せられてくるので、吹き付けているところに虫が飛んでくると虫も一緒に塗装物に吹き付けられ、くっついてします。
虫がくっつくと取り除くのに面倒くさいんですよホントに。夜にもなれば照明にも虫が寄ってきますしさらに作業難易度が上がります。
・雨が多い(梅雨時期)
そして厄介なのが雨です。
夏場の雨はほんと大変です、気温が高いうえに湿度も上がります。
メーカーによると一般的な塗料は、気温5℃以上かつ湿度85%以下の条件のもと使用するように定められており、
これらの条件を考慮せず塗装すれば不具合が起きる可能性があります。
一番よく起こるのが白化現象です。白化現象とは・・
塗膜の硬化途中で降雨や結露により塗晨表面に水分が付着したため、塗膜ごく表層部 が凹凸状になり、つやがなく白ぼけた外観になります。
発生しやすい共通条件は、① 蒸し暑いと感じる湿度(約80%以上)であること、②シンナーの揮発速度が大きいこと
・白化現象を避けるための対策には以下のようなものがあります。
a.塗装後、降雨、結露が予測される場合や高湿度時の塗装は避ける。
b.白化を生じた場合は、塗膜表面をサンドペーパー等で研磨し、異常部を除去したの ち再塗装する。
c.季節により専用シンナーを使用する。
まとめ
こんな感じで、夏場の塗装は決して簡単なものではありません。
実際の作業環境としてはとても過酷なものになります。まず体調管理をしっかり行い、細かなところまで注意をして作業を進めていかなくてはなりません。
自分もまだ塗装作業に携わるようになってまだ3年目のペーペーですので、日々いろいろな問題に直面しながら頑張っています。
今まで塗装をしてもらっていた社員さんがいろいろあってやめてしまわれたのでね💦
まあ・・いろいろあったんですよ。ここでは言いませんけど。
それではこれから本格的な暑い暑い夏が訪れますので、頑張りたいと思います。 なんか今年は過ぎるのが早いね。。もう7月ですよ!!
ではでは