家電から家具へ進むIoT技術
スマートフォンで簡単に管理できるスマート家電や、モノ自体にインターネットが組みこまれるIoT家電が進化する近年。
家電だけでもなく「家具」もロボット工学の技術を使ってよりよい暮らしを送ることができないかという考えから生まれたのが「Smart Furniture(スマート家具)」です。
これまで静的であった家具が動きを持つことは、非常に革新的で、技術の進化を感じさせます。なぜこういった家具が必要とされるようになったのでしょうか。
✔アメリカ都市部での住宅事情とマイクロ・アパートメント
その背景として、近年のアメリカ、特に大都市部ではアパートの賃貸料が年々上がっています。アメリカでは家を買わず、賃貸もせずに、車に住む人も増えてきているとかいないとか。
2017年10月に話題となった「1,500ドルで世界各地どれだけの広さのアパートが借りることができるか」というリサーチでは、東京の50平方メートルに比べて、ニューヨークのマンハッタンでは、最小の26平方メートルという調査がでたそうです。
いわゆる狭小住宅(マイクロ・アパートメント)、そんなアメリカの住居が小さくなる傾向の中で開発されたのが「Smart Furniture(スマート家具)」なのです。
✔スマート家具を生み出したスタートアップOriとは
「Robotic Furniture(ロボット家具)」とも呼ばれ、コンピュータ制御でボタン一つで動かすことのできる家具。なかでも米国マサチューセッツ工科大学 (MIT) 建築・計画スクール内に設置された研究所「MIT Media Lab(MITメディアラボ)」が開発したスマート家具「Ori(オリ)」はなんとIKEAとタッグを組みいずれは日本にもスマート家具を広めようとしているらしいです。
OriのCEOであるHasier Lerrea氏は、2年以上も続いたというIKEAとの交渉を経て、2020年のコラボ商品発売はほんの始まりに過ぎず、次の世代に向けた、さらなるリビングスペースの開発を続けることに意欲を示しています。
家具に関する膨大なデータを持つだけでなく、世界各地に拠点があるIKEAとのコラボは、居住スペースの改革を猛スピードで世界中に広めることを可能にするかもしれません。
✔まとめ
ほかにも様々なスマート家具が作られており、スマートテーブルは、ワイヤレス充電機能を備えていたり、内蔵のディスプレイで天気予報やニュースを表示できたり、音声アシスタントとして機能したり。 また、スマートベッドは、寝室の照明や音楽を制御できますや、睡眠のトラッキングを進めたりします。
スマート家具は、家庭内の電子機器を統合することによって、生活の質を向上させることができますが、その反面、高価であることが多く、技術の進歩に伴い、アップグレードすることでいずれ我々の生活に入ってくることは間違いないでしょう。