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新たな倒産の引き金になりかねない物価高

 

政府は 9 月 9 日、物価高に対応するため「物価・賃金・生活総合対策本部」を開催しました。

食料品全般、ガソリン等の燃料価格上昇への対応、 住民税非課税世帯への給付金などについて追加策が取りまとめられたようです。

これらの物価高の影響を受けた倒産が今相次いでいます。コロナ禍そしてロシアウクライナ戦などが相次ぎ、経営体力が限界に達した中小・零細 企業を中心に、物価高が“最後の追い打ち”になるかもしれません・・。

 


 

 

上記の図は2018年から調査が開始された物価高倒産の月別発生数のグラフです。

2022年1~8月の「物価高倒産」は150件を超え、最多だった2021年(138件)を8月時点で上回り、年間最多になりました。

ここ2カ月連続で最多を更新。前年同月(13件)の約2.6倍に急増しています。

 

 

私たち建設業界は34件、倒産件数トップの運輸業の42件(28%)に次ぐ多さで全体の23%を占めていて、内訳は総合工事19件、職別工事10件、設備工事5件。

コロナ禍で飲食店や宿泊施設などの工事計画の中止や延期、縮小の影響を受け、業績が悪化しているところへロシアによるウクライナ侵攻や円安の急激な進行に伴う物価高が追い打ちとなり、事業を断念するケースが相次いでいます。

 

建設・建築業界に限らず各業界では価格転嫁を目的とした「値上げ」「再値上げ」「再々値上げ」の動きも広がりつつあります。

しかし企業にとっては値上げによって売り上げ収益が上がるとは限りませんし、価格を据え置く他社との競争激化によって逆に売上減 少といったことも考えられていて、先行きを楽観視するにはまだ時期尚早といったとことかもしれません。

今後電気代の上昇や急激な円安の進行も加わり、物価高の影響はむしろこれから本格化すると考えられ。季節的に企業倒産が相次ぐ年末にかけ て、物価高倒産はさらに増えるおそれがあると懸念されています。