木材の常識を変えた集成材「CLT」の未来
来月は7月、いよいよやってきますよ!オリンピック!
こんな状況の中でゴリ押しのように勧めている感はありますが・・1964年大会以来、57年ぶりとなる日本での夏のオリンピックです。
このオリンピックのために国立競技場は新しく立て替えられたのですが、その木材をふんだんに利用したデザインは注目を集めました。
いろいろダメ出しなんかされたりしてますけどね🤣
今日はそんな新国立競技場に組み込まれた新しい木造技術をご紹介します。
例えば、災害時の仮設住宅にCLT構法を利用すれば、不必要な時にはCLTを解体し、必要な時には再組立をするといった使い方も可能となります。
現在では、北米地方やオセアニア地方でも規格作りや工場生産がスタートするなど、CLTの利用が世界各国で急速な広がりを見せています。
日本でも鉄骨造、RC造に替わる新しい構造体として注目を浴びており、
国産材の有効活用の切り札として、我が国を木材技術大国として飛躍させるために官民一体となって普及活動に取り組んでいます。
CLTを使った建築物の紹介
世界編
イタリアのミラノ・・・9階建の木造集合住宅
オーストラリアのメルボルン・・・10階建集合住宅、現在完成しているCLTの建物では一番高い木造建築物と言われています。
アメリカのポートランド・・・12階建の高層ビルが建設予定
カナダのバンクーバー・・・16~18階の学生寮の計画が進められています。
日本編
金沢駅・・・金沢のシンボルである“鼓門(つづみもん)”
岡山県真庭市にある集成材メーカー“銘建工業(株)(←詳細はクリック)の木質構造材を使用したもので、「世界で最も美しい駅」14選に選ばれています。
長崎県・・・ハウステンボス 変なホテル
人件費の削減を目指した自動化とサービスロボットを導入したホテル
基礎以外の基本構造体はすべてCLTにより作られました。熊本産材6割、長崎産材4割と地域産材を利用されて
SDGsの概念も盛り込まれています。
兵庫県尼崎市・・・タクマビル新館
廃棄物処理やバイオマス発電プラントの建設・運営などを手掛ける同社の研修センター
H形鋼の柱と梁(はり)で組む四角形のフレームの中に、厚さが150mmのCLTパネルをはめ込む、
耐震要素はCLTの構造特性を生かした手法が取り入れられています。
まとめ
政府がCLT(直交集成板)の普及に向け作成に着手した2021年度から5年間のロードマップを読み解くと、
24年度までに年間50万m3程度の生産体制の構築を目標としています。
企業だけでなく政府も注目している以上、今後は補助金・助成金の活用や雇用支援などの様々な方法が考えられており、
21年度予算の概算要求でも、CLT関連に国費で約560億円が計上されました。
CLTは大型建築だけでなく、従来の住宅規模でも利用することが可能で、
小さな建物から大きな建物までCLTが活躍する未来はそんな遠くはないのかも知れません。