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木造はただのブームではない!木材と健康の関係は?

 

日本のみならず、世界でも今木造建築がブームであることは以前のブログの中で時々紹介してきました。

ストレスが多いといわれる現代社会。そんな現代人に必要なもの、それは人知れずほっとひと息つけるやさしさであり、ぬくもりです。
欧州では、木材が心拍数の低下、痛みの軽減、睡眠の改善と感染リスクの低下などに効果があるとの研究結果が発表されています。そのため木目を見る環境にあると人間はストレスが軽減されるという興味深いレポートもあり、木造の教育施設や老人ホームが増えているそうです。

 

今回は、そんな“木材”と「健康」との関わりについて着目して紹介します。

 


 

✔木の特徴

木材の優れた特徴とは

1.空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには水分を放出するという調湿作用がある

2.無数の細胞からなり、そのひとつひとつに空気を含んでいるため、熱を伝えにくく高い断熱性を持つ

3.パイプ状の細胞が柔軟に変形してクッションの役目を果たし、大理石に比べて2~3倍の衝撃吸収能力がある

4.紫外線をよく吸収するため、木材から反射する光にはほとんど紫外線は含まれず目に優しい

5.独特の芳香には、気分を落ち着かせる効能がある

 


 

✔木材が及ぼす優れた効果の調査結果を紹介

1.施設の木材使用度別の心身不調出現率比較

木材を多く使用している学校や老人ホームなどの施設では、インフルエンザにかかったり、転んで骨折をしたりする入居者が少ないという研究結果があります。

これはなぜかというと木材には部屋が乾燥している時は水分を吐き出し、湿気が多いときには、余分な湿気を吸収するという“調湿作用”があるので、インフルエンザウィルスは、気温が低く、空気が乾燥している環境では長期間生存し続けますが、湿度が50%以上になるとウイルスの多くが死滅してしまうからです。

そのため湿度を快適な状態に保つ効果をもっている木造校舎ではインフルエンザの感染が減ったと考えられているのです。他にも病欠や不登校が少ないことの理由についても、木の香りや調湿作用などが心と身体に安らぎを与えているためといわれています。

 

2.素材ごとの動物の生存率及び成長比較

木材が健康に良いというのは動物実験でも確かめられています。

マウスを使った実験では、木製の飼育箱で生活するマウスの方が、金属やコンクリートの飼育箱より生存率や体重が高いという結果がでているそう。

コンクリートの飼育箱の中で生活するマウスは生存率は10%以下に下がり、体重も木製の飼育箱のマウスより低いそうです。

 

3.木製の机や椅子を導入した後の授業中の子供の様子

ある小学校で行われた実験では、教室内の机や椅子をスチール製から木製へ切り替えてみました。

するとどうでしょう??

子ども達が物事に熱心になった、あくびがあまりでなくなったといった「良い傾向の変化」が多かったという調査結果も出ています。

 


✔まとめ

これまで見てきた研究結果を見ても木材と我々の健康とは切っても切れない関係のあると言っても良いでしょう。

環境的にみても木材はグリーンシフトにとっても重要です。建設業界は、温室効果ガス排出の最大分を占めている鉄筋コンクリート造を木造建築にするとかなりのエネルギーを節約できるとしています。

建物がどのように健康や環境や福祉に貢献できるかが議論されることが多くなり、都市に大きな木造建築を建てることは、環境、経済、社会の持続可能性をもたらすはずです。

近年世界中で木造建築への取り組みが進んでいる。つまりこの木造ブームは、ただの流行ではないのだと思います。