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価格高騰でウッドショック!! 木材価格と需給動向

我々、家具などを作っている製造業者は木材をたくさん使います。

世の中には多くの種類の木材があり、それぞれ用途によって使い分けられています。

今回はそんな木材がとても値上がりしていて困ってしまうというお話です。


木材高騰の理由

2021年4月時点で、世界的な木材の価格は前年を大幅に上回っています。
コロナ禍によって在宅ワーク、リモートワークが進んだことで、アメリカ国内の住宅需要が右肩上がりに急増。

需給のバランスが崩れ、価格の高騰に歯止めがかからない状態に・・・。

また中国の住宅市場の需要増も原因の一つとして挙げられています。

 

米国で4月に発表された卸売物価指数(PPI)統計によると、

住宅に使われる針葉樹製材の3月の価格は、前年同月比で83.4%上昇して過去最高の伸びを記録し、

ベニヤ板などほかの建材も大幅に値上がりしました。

 

シカゴの材木チャートもここ一年で劇上がりです


日本への影響

国土の7割が森林と言われている日本でもその影響がじわじわ出てきているようで、

なぜかというと、日本は木材の大半を輸入に頼っているからです。林野庁の発表によると日本の木材自給率は37.8%(令和元年)です。

日本は国内に多くの森林があるにもかかわらず、供給に回せない理由は2つ

 

商用の木材を市場に出すまでには一定の時間がかかるため

伐採を決め、山から木を出すだけでも要員の手配などで数カ月はかかり、切り出した木材は乾燥させる必要があります。

木材乾燥には時間ががかる上、乾燥機のキャパシティにも限りがあります。

ウッドショックは一種のバブルなので、バブルのために設備投資を新たにしたり、十分なストックを確保する会社は多くありません。

 

過去の森林政策の誤り

戦争復興期における資材として、木材は大変重宝され、高い需要にこたえるべく、国策として人工林を拡大していく方針を取りました。

昭和30年代には日本の木材の自給率は9割を超えています。

それから時代は高度経済成長へと向かい木材需要はますます拡大していきました。

しかし、その需要を満たしたのは人工林に植えられた国産材ではなく、自由化された輸入材。

昭和40年以降、国産材の供給は減少していきます。

林業に携わる人口も減り、山林はすでに過疎化、高齢化が進んだことで、森は拡大しても供給が増えるわけでもなく、

手入れの行き届かない荒廃した森林が残って現在に至っています。


 

まとめ

 

2021年5月の木材価格と需給動向 ←(詳細はクリック)

(出典:一般財団法人 日本木材総合情報センター)

 

現在日本でも新築、中古問わず不動産はかなりにぎわっているようですが、木材不足は単に一戸建てにとどまらず、

不動産市場全体に幅広い影響を及ぼす恐れがあるので経過を慎重に注視していかなければならないと思います。

不動産業だけでなく、われわれ家具屋の材料にも何らかの影響はありそうです・・やれやれ😥