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ささしま高架下オフィスがもうすぐ竣工! 現状をレポート!

 

 

以前のブログでご紹介した名古屋の笹島新幹線高架下に建設中の木造オフィス「笹島高架下オフィス」が22年2月の竣工を前に現場施工が佳境を迎えていますので、

前回の続報という形でお伝えしようと思います。

 

高架下と言えば飲み屋・・じゃなくてオフィス?が名古屋にやってくる

 


 

✔ささしま高架下オフィスとは

 

名称:笹島高架下オフィス

JR名古屋駅の南側に位置する、新幹線の高架下の空間を利用して建設される2階建て延床1,000平米のオフィス空間

 

概要:

  • 建築面積:567.60㎡
  • 延床面積:985.82㎡
  • 用途:事務所
  • 構造:木造、2階
  • 設計:MARU。architecture
  • 構造:坂田涼太郎構造設計事務所
  • 設備:設備計画
  • 施工:シーエヌ建設
  • 竣工:2022年(予定)

 


 

✔制約の多い高架下オフィスを可能にした新素材

 

この笹島高架下オフィスの注目すべき点は帝人開発の炭素繊維と木材のハイブリッド素材「LIVELY WOOD」と呼ばれる素材を使うことです。

 

 

(帝人WEBサイトより)

 

それは何故か・・

鉄道高架下での建築であるため高さや施工条件にも様々な制限があり、地面下には多くの配管配線が通っている為に高架の基礎に大きな荷重をかけることもできない。そのため、鉄道高架への影響を考慮し、高架の梁と木造の梁も接していないそれぞれ独立した構造になっています。

それでいて、オフィスとして使用できる大空間も確保しないといけないというかつてない条件をクリアするために、これまで木材を採用できなかった建築物への使用を可能にしたのが、この「LIVELY WOOD」です。

剛性が木材の2倍以上で、鉄骨よりも軽量! 今までの建築素材にくらべて設計の自由度が格段に上がるとのこと。ちょうど今回のプロジェクトに合わせて愛知県産のスギ材が使用され、資源の地産地消にも貢献できたそうで、県が推進する木材の積極利用の流れにうまく乗ることが出来ました。

「LIVELY WOOD」はJAS(日本農林規格)に認定されていない新しい建材なので、建築で使うには2つの評定をクリアしなければなりませんでした。

「材料評定」と「構造評定」です。

前者は建材としての性能が担保されているか、後者はこの材料を使用した建物として一定の構造性能が担保されているかということで、笹島高架下オフィスはライブリーウッドの使用するにおいて、2つの評定について国土交通大臣からの個別認定を受けました。

 


 

✔ささしま高架下オフィスの今

 

 

大体の外観はすでに形になりつつあるようです。

梁を避けながら床をスキップフロア状に分割し様々な使い方ができる場所がつくられており、視線が抜け、1階と2階がつながってみえてくるような一体的な空間になっています。

 

IT系企業の入居がすでに決まっており、2階を執務空間として使用、1階は打ち合わせスペースなどとし、セミナーやシンポジウムなどを行うイベントのスペースとしても使用するそうです。

 


 

✔まとめ

 

JR東海グループは高架下開発をどんどん進めており、店舗、オフィス・倉庫、駐車場を中心に、これまでの既成概念にとらわれることなく、新たな事業に取り組んでいます。

高架下オフィスのメリットは、ワンフロアに広いスペースを確保でき、ユニークな就業環境を比較的安価に構築できる点です。

新しい木造材の開発及び技術革新によって、今後各地沿線周りがにぎやかになることは間違いないのではないでしょうか!